北陸新幹線の延伸開業および西九州新幹線の部分開業に伴って、当該区間を運行していた在来線特急列車の運行区間が短縮されました。
そのため、従来は直通していた区間であっても、新幹線と在来線特急列車を乗り継ぐ必要があります。
料金面でも、従来は在来線特急列車1列車分で済んでいたものが、現在は新幹線と在来線特急列車の2列車分が必要になりました。料金が実質的に引き上げられたため、ユーザーは負担に感じるでしょう。
そこで、列車を乗り継ぐ場合でも1個の列車とみなし、全区間通しの料金とする特例が新たに設定されました。これは、いわゆる「幹特在特」と呼ばれるものです。料金の負担を軽減するための措置という意味合いがあります。
1個列車とみなす特例の対象は、特急料金のみです。グリーン料金には特例がないため、列車ごとに料金を加算することに要注意です。
この記事では、北陸新幹線・西九州新幹線において、新幹線と在来線特急列車を乗り継ぐ場合の特急料金の特例について、ケーススタディを交えて詳しく解説します。
また、主な区間で発売されている事前購入型のネット限定割引料金についても軽く触れたいと思います。
- 廃止された「乗継割引」の後継的な措置として導入された特例であること
- ネット限定割引料金が安いものの、利用条件に注意が必要なこと
- 特急料金の特例があっても、乗り換えの負担はなくならないこと
特急料金に関する特例が適用される対象列車・区間
北陸新幹線と西九州新幹線に関して、新幹線と在来線特急列車を1個の列車とみなす対象区間および列車は、次の通りです。
北陸新幹線
北陸新幹線金沢駅開業前、在来線特急列車「サンダーバード」号の運行区間は、大阪駅(大阪市北区)から富山駅(富山県富山市)まででした。今回、この区間に特例が設けられました。
また、在来線特急列車「しらさぎ」号の従来の運行区間であった、名古屋駅(名古屋市中村区)から富山駅までの区間についても、同様です。
● 新幹線側
北陸新幹線は、東京駅(東京都千代田区)から敦賀駅(福井県敦賀市)まで運行されています。しかし、この特例の対象となるのは、富山駅から敦賀駅までの区間だけです。北陸新幹線の全区間が対象ではないことに留意しましょう。
対象となる列車名については特に制限はなく、「つるぎ」号の他に「はくたか」号や「かがやき」号も対象です。
● 在来線特急列車側
特急「サンダーバード」号の運行区間である大阪駅から敦賀駅までの区間、および特急「しらさぎ」号の運行区間である名古屋駅から敦賀駅までの区間が、それぞれ特例の対象です。
西九州新幹線
西九州新幹線の開業前には、博多駅(福岡市博多区)・門司港駅(北九州市門司区)から長崎駅(長崎県長崎市)までの区間で、在来線特急列車「かもめ」号が運行されていました。この区間が、料金特例の対象です。
● 新幹線側
西九州新幹線「かもめ」号の運行区間である、武雄温泉駅(佐賀県武雄市)から長崎駅までの全区間が対象になります。
● 在来線特急列車側
特急「リレーつばめ」号および特急「みどり」号の運行区間が、特例の対象です。これらの列車の運行区間である、門司港駅から武雄温泉駅までの停車駅が含まれます。
特急料金の特例が設けられた背景
ここでは、2個の列車を1個の列車とみなす特例が設定された背景を探っていきます。
部分開業の状態が続くと思われる
北陸新幹線や西九州新幹線は、現状では部分開業の状態です。現時点では全線開業の見込みが立たないため、新幹線と在来線特急列車の乗り継ぎが半永久的に続くことが想定されます。
料金面でも、新幹線区間と在来線特急列車区間がそれぞれ分断されることになります。
料金が実質的に引き上げになった理由
乗り継ぎが発生すると、違う列車に乗り換える煩わしさに加え、料金面でも影響が生じます。
● 新幹線の質の高さ
新幹線と在来線特急列車を比較すると、新幹線の方がより速度が速く、車両も快適です。そのため、料金面でも新幹線の方が高いことは合理的です。
北陸新幹線や西九州新幹線が開業した区間においては、運送の質が在来線特急列車よりもグレードアップされています。単純に考えて、従来より料金が引き上げになることは明らかです。
● 特急料金の制度設計
それに加え、特急料金に関しては、運賃よりも距離帯の刻みがかなり粗いという事情があります。新幹線と在来線特急列車の接続駅をはさんで2区間分の料金を合算する形になったため、乗車区間によっては従来よりも料金が高くなる傾向が見られます。
例えば、名古屋駅から敦賀駅を経由し、芦原温泉駅(福井県あわら市)までの区間を普通車指定席に乗車するケースを想定します。
北陸新幹線開業前における在来線特急列車「しらさぎ」号の特急料金は、名古屋駅から芦原温泉駅までの区間(197.5km)で2,730円でした。
一方、北陸新幹線開業後の特急料金は、名古屋駅から敦賀駅まで(125.8km)の在来線特急料金が2,390円、敦賀駅から芦原温泉駅まで(67.2km)の新幹線特急料金が2,400円です(なお、敦賀駅で途中下車しない場合、特例適用後の通しの特急料金は、3,880円です)。
仮に特例がなかったとしたら、2列車分の合計で4,790円かかります。開業前後の差額は2,060円で、圧倒的に料金が引き上げられた形です。
このような料金設計は、ユーザーにとって負担になります。
救済措置であった「乗継割引」は廃止された
新幹線が部分開業し、新幹線と在来線特急列車が乗り継ぎになる場合、従来は「乗継割引」が適用されました。
乗継割引の制度においては、新幹線から在来線特急列車に同日中に乗り継ぐ場合に、在来線特急料金が半額になりました(在来線特急列車から新幹線に乗り継ぐ場合、同日中か翌日中)。
しかし、乗継割引制度に関しては、制度設計が複雑だった上、不適切に利用されることがありました。そのため、2024年3月のダイヤ改正を以って廃止されてしまいました。
全区間を1個の列車とみなした特例が誕生
そこで、北陸新幹線の一部区間と西九州新幹線については、乗継割引の後継として、新幹線と在来線特急列車を1個の列車とみなし、通しの料金が設定されることになりました。
特例の対象となるのは普通車で、グリーン車については対象外です(グリーン料金については2個の列車として料金を計算)。
これが、新幹線延伸開業前後の料金設定の差です。金沢駅から大阪駅まで通しの自由席特急料金ではない代わりに、金沢駅から敦賀駅までの新幹線自由席特急料金と敦賀駅から大阪駅までの自由席特急料金をそれぞれ割り引きます。普通車指定席を利用する場合、座席指定料金相当額を1回分のみ加算します。
実際にこの特急券を購入した場合、発行されるのは1枚の新幹線特急券です。新幹線区間に新幹線特急券、在来線特急列車乗車区間に特急券が別々に発行されるわけではありません。
特例が適用されたきっぷの券面
この特例の理解を深めるため、特例が実際に適用されたきっぷを見ていきましょう。北陸新幹線と西九州新幹線それぞれのきっぷについてご説明します。
北陸新幹線
米原駅ー越前たけふ駅
北陸本線米原駅(滋賀県米原市)から敦賀駅を経て、北陸新幹線越前たけふ駅(福井県越前市)ゆきの新幹線特急券です。
全区間で1個の列車として扱われるため、在来線特急列車が含まれているにもかかわらず、きっぷには「新幹線特急券」と表示されています。また、料金の特例が適用されているということで、券面には「幹特在特」と記載されています。
西九州新幹線
嬉野温泉駅ー江北駅(旧肥前山口駅)
西九州新幹線嬉野温泉駅(佐賀県嬉野市)から武雄温泉駅を経て、長崎本線江北駅(佐賀県江北町)ゆきの新幹線特急券です(普通車自由席)。江北駅への改称前にきっぷを購入したため、旧称の肥前山口駅が着駅として記載されています。
特定された料金であるため、きっぷの券面には「新幹線特定特急券」と記載されています。また、1個列車とみなす特例が適用されているため、券面には「幹特在特」と記載されています。
それでは、この特例が絡む具体的な計算例を、北陸新幹線と西九州新幹線の別にみていきます!
北陸新幹線における料金計算の実例
新幹線と在来線特急列車を1個の列車とみなす特例「幹特在特」が適用されるのは、北陸新幹線の全区間ではなく、富山駅以西の区間のみです。そのため、特例が適用されるかされないかで、計算方法が根本的に異なります。
北陸新幹線の各列車には、普通車自由席、普通車指定席、グリーン車およびグランクラスの設備があります。一方、在来線特急列車「サンダーバード」号および「しらさぎ」号については、普通車指定席およびグリーン車のみです。利用する設備に応じて、料金計算を行います。
なお、実際に乗車する際には、当記事で説明する特急料金(新幹線特急券)の他、乗車券が必要です。
「幹特在特」設定区間相互間を利用するケース
大阪駅および名古屋駅から富山駅までの特急列車停車駅相互間には、特例に基づいた特定料金が設定されています。この範囲に収まる場合、下表の料金を適用します。
富山 | 新高岡 | 金沢 | 小松 | 加賀温泉 | 芦原温泉 | 福井 | 越前たけふ | |
近江今津 | 3,780 | 3,780 | 3,580 | 2,890 | 2,890 | 2,890 | 2,890 | 2,000 |
長浜 | 3,780 | 3,780 | 3,580 | 2,890 | 2,890 | 2,890 | 2,890 | 2,000 |
米原 | 3,780 | 3,780 | 3,580 | 2,890 | 2,890 | 2,890 | 2,890 | 2,000 |
堅田 | 3,980 | 3,980 | 3,980 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 2,400 |
京都 | 3,980 | 3,980 | 3,980 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 2,400 |
高槻 | 4,570 | 4,570 | 4,570 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 2,990 |
新大阪 | 4,570 | 4,570 | 4,570 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 2,990 |
大阪 | 4,570 | 4,570 | 4,570 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 2,990 |
大垣 | 3,980 | 3,980 | 3,980 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 2,400 |
岐阜 | 3,980 | 3,980 | 3,980 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 3,290 | 2,400 |
尾張一宮 | 4,570 | 4,570 | 4,570 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 2,990 |
名古屋 | 4,570 | 4,570 | 4,570 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 3,880 | 2,990 |
ここでは、大阪駅から富山駅まで320.6kmの区間を、特急「サンダーバード」号と北陸新幹線「つるぎ」号もしくは「はくたか」号で移動するケースを想定します【繁忙期】。
普通車指定席の特急料金は、上表から4,570円となります(通常期)。乗車日が以下の時期に該当する場合、料金を加算もしくは減算します。
- 繁忙期:200円加算
- 最繁忙期:400円加算
- 閑散期:200円減算
グリーン車に乗車する場合、グリーン料金に関しては1個の列車とみなす特例がありません。そのため、在来線特急列車の区間におけるグリーン料金と新幹線の区間におけるグリーン料金を合算します。
◆ 普通車指定席【繁忙期】
大阪駅ー富山駅 | [新幹線特急料金4,570円+繁忙期加算200円]=4,770円 (A) |
合計 (A)= 4,770円 |
◆ グリーン車【繁忙期】
大阪駅ー富山駅 | [新幹線特急料金4,570円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円]=4,240円 (A) |
大阪駅ー富山駅 | [サンダーバード号グリーン料金2,800円+新幹線グリーン料金2,800円]=5,600円 (B) |
合計 (A)+(B)= 9,840円 |
◆ グリーン車+グランクラス【繁忙期】
大阪駅ー富山駅 | [新幹線特急料金4,570円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円]=4,240円 (A) |
大阪駅ー富山駅 | [サンダーバード号グリーン料金2,800円+新幹線グランクラス料金5,950円]=8,750円 (C) |
合計 (A)+(C)= 12,990円 |
「幹特在特」設定区間を越えるケース
同じ北陸新幹線であっても、黒部宇奈月温泉駅(富山県黒部市)より先の駅にはこの特例が設定されていません。この区間を乗車する場合、原則通りの料金計算を行います。
ここでは、大阪駅から糸魚川駅(新潟県糸魚川市)まで393.6kmの区間を、特急「サンダーバード」号と北陸新幹線「はくたか」号で移動するケースを想定します【繁忙期】。
◆ 普通車指定席【繁忙期】
大阪駅ー敦賀駅 | [在来線特急料金2,390円+繁忙期加算200円]=2,590円 (D) |
敦賀駅ー糸魚川駅 | [新幹線特急料金4,060円+繁忙期加算200円]=4,260円 (E) |
合計 (D)+(E)= 6,850円 |
◆ グリーン車【繁忙期】
大阪駅ー敦賀駅 | [在来線特急料金2,390円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円+グリーン料金2,800円]=4,860円 (F) |
敦賀駅ー糸魚川駅 | [新幹線特急料金4,060円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円+グリーン料金4,190円]=7,920円 (G) |
合計 (F)+(G)= 12,780円 |
◆ グリーン車+グランクラス【繁忙期】
大阪駅ー敦賀駅 | [在来線特急料金2,390円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円+グリーン料金2,800円]=4,860円 (F) |
敦賀駅ー糸魚川駅 | [新幹線特急料金4,060円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円+グランクラス料金7,340円]=11,070円 (H) |
合計 (F)+(H)= 15,930円 |
西九州新幹線における料金計算の実例
新幹線と在来線特急列車を1個の列車とみなす特例(幹特在特)が、博多駅・門司港駅から長崎駅までの全区間で適用されます。
西九州新幹線「つばめ」号の設備は普通車自由席と普通車指定席で、グリーン車はありません。一方、在来線特急列車「リレーつばめ」には、普通車自由席、普通車指定席に加え、グリーン車があります。利用する設備に応じて、料金計算を行います。
博多駅から長崎駅までの特急列車停車駅相互間には、特例に基づいた特定料金が設定されています。この範囲に収まる場合、下表の料金を適用します。
武雄温泉駅からの在来線営業キロ | 25kmまで | 50kmまで | 75kmまで | 100kmまで | 150kmまで | 200kmまで |
嬉野温泉(※) | 2,110 | 2,330 | 2,560 | 2,740 | 3,280 | 3,640 |
新大村 | 2,110 | 2,330 | 2,560 | 2,740 | 3,280 | 3,640 |
諫早 | 2,110 | 2,330 | 2,560 | 2,740 | 3,280 | 3,640 |
長崎 | 2,560 | 2,780 | 3,010 | 3,190 | 3,730 | 4,090 |
※ 嬉野温泉駅を発着する場合、上表金額から880円減算
博多駅から長崎駅まで152.8kmの区間を、特急「リレーつばめ」号と西九州新幹線「つばめ」号で移動する場合を想定します【繁忙期】
上表から、普通車指定席の特急料金が3,190円であることが分かります(通常期)。乗車日が以下の時期に該当する場合、料金を加算します。
- 繁忙期:200円加算
- 最繁忙期:400円加算
特急「リレーつばめ」号のグリーン車に乗車する場合、当該列車のグリーン料金を加算します。
◆ 普通車指定席【繁忙期】
博多駅ー長崎駅 | [新幹線特急料金3,190円+繁忙期加算200円]=3,390円 (A) |
合計(A)= 3,390円 |
◆ 普通車自由席【通年】
博多駅ー長崎駅 | [新幹線特急料金3,190円ー自由席減算530円]=2,660円 (B) |
合計 (B)= 2,660円 |
◆ グリーン車【繁忙期】
博多駅ー長崎駅 | [新幹線特急料金3,190円+繁忙期加算200円ーグリーン車減算530円]=2,860円 (C) |
博多駅ー武雄温泉駅 | [リレーつばめ号グリーン料金]=1,300円 (D) |
合計 (C)+(D)= 4,160円 |
これまでご説明した料金の特例は、あくまでも割引なしの所定料金がベースです。事前購入型のネット限定割引料金の方が安いので、その概要を説明します!
ネット限定割引料金が安い!
北陸新幹線および西九州新幹線における新幹線特急料金と在来線特急料金の特例は、あくまでも無割引ベースの正規料金です。割高感を軽減するために、これらの路線ではネット限定割引料金が設定されています。
あらかじめ旅程を固め、きっぷを事前購入すると大変おトクです。ここでは、ネット限定の割引料金の概要を簡単にご説明します。
北陸新幹線
JR西日本管内の北陸新幹線各駅と大阪駅・京都駅間に、ネット限定割引の「WEB早特7」および「WEB早特14」が設定されています。特急券と乗車券がセットのきっぷです。
それぞれ、乗車日の7日前もしくは14日前までに事前購入を行います。また、駅では購入できないので、注意しましょう。
● WEB早特7・WEB早特14の発売箇所
JR西日本のネット予約サービス「e5489」限定です。ネットで予約購入した後、紙のきっぷを駅で受け取って乗車します。
● WEB早特7・WEB早特14の設定区間
大阪駅・新大阪駅、高槻駅(大阪府高槻市)および京都駅(京都市下京区)を発駅とし、北陸新幹線敦賀駅から糸魚川駅までの各駅を着駅とするWEB早特7・WEB早特14が設定されています。特急「サンダーバード」号および北陸新幹線各列車を利用します。
また、WEB早特7に限り、名古屋駅から北陸新幹線敦賀駅から糸魚川駅までの各駅ゆきの設定もあります。特急「しらさぎ」号および北陸新幹線各列車を利用します。
● 各料金の金額比較
大阪駅・新大阪駅ー金沢駅間
料金種別 | 設備 | 大人金額 | 小児金額 |
所定運賃・料金【通常期】 | 普通車指定席 | 9,410円 | 4,700円 |
WEB早特7 | 普通車指定席 | 8,460円 | 4,230円 |
WEB早特14 | 普通車指定席 | 7,980円 | 3,990円 |
おとなびWEB早特 | 普通車指定席 | 7,520円 | (会員限定) |
西九州新幹線
JR九州が展開するネット予約サービス「JR九州インターネット列車予約」上で、西九州新幹線「かもめ」号と「リレーかもめ」号を利用するネット限定割引きっぷが発売されています。いずれも、特急券と乗車券がセットになったきっぷです、
ネット限定割引きっぷのため、駅での購入手続きはできません。ネット上できっぷを購入した上で、駅で紙のきっぷを受け取ります。
発売条件によって、以下の3種類があります。
● かもめネットきっぷ
博多駅から長崎駅までの主要駅間で料金の設定があります。発売条件が最も緩く、当日購入が可能です。
● かもめネット早特3
事前購入型の割引料金です。博多駅から長崎駅・浦上駅までの区間の設定があります。乗車日の3日前までにネット上で購入を完了します。
● 「私たちも、かもめ。早特7」
きっぷの名称がかなり尖っていますが、これも事前購入型の割引料金です。乗車日の7日前までに予約購入を完了します。購入後の変更が一切できないため、要注意です。博多駅から長崎駅・浦上駅まで、および佐賀駅から長崎駅・浦上駅までの2区間で設定があります。
● 各料金の金額比較
博多駅ー長崎駅・浦上駅間
料金種別 | 設備 | 大人金額 | 小児金額 |
所定運賃・料金【通常期】 | 普通車指定席 | 6,050円 | 3,020円 |
かもめネットきっぷ | 普通車指定席 | 4,200円 | 2,100円 |
かもめネット早特3 | 普通車指定席 | 3,600円 | 1,790円 |
私たちも、かもめ。早特7 | 普通車指定席 | 3,200円 | 1,600円 |
まとめ
北陸新幹線と西九州新幹線については、現状では部分開業です。開業していない区間には在来線特急列車が走っており、新幹線との乗り換えが発生します。
原則的には、新幹線と在来線特急列車の特急料金は別々に計算します。しかし、2列車分の料金がかかると料金が高額になり、ユーザーにとって負担です。
そこで、各列車の接続駅で途中下車しない限り、2列車を1列車とみなして通しの特定料金が設定されました。いわゆる「幹特在特」と呼ばれ、新幹線特急券の券面に記載されています。
通しの料金が設定されているのは特急料金のみで、グリーン車に乗車する場合のグリーン料金には特例がありません。乗車する列車ごとに料金を加算します。
料金負担を軽減し、利用促進を図るため、ネット限定の割引料金が発売されています。上手に活用したいです。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料 References
● 北陸新幹線 金沢-敦賀間 開業(JR西日本) 2024.8閲覧
● トクトクきっぷ(JR西日本) 2024.8閲覧
● 割引きっぷ検索結果(JR九州) 2024.8閲覧
● 旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第57条の3 第7項・第8項(特定の特別急行券の発売)
● 旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第125条 第1号 ハ・ニ(大人急行料金)
当記事の改訂履歴 Revision History
2024年10月25日:初稿 修正
2024年10月13日:初稿 修正
2024年9月11日:初稿 修正
2024年8月27日:初稿 修正
2024年8月24日:当サイト初稿
コメント