名古屋駅と長野駅の区間を結ぶ特急「しなの」号。JRが運行する特急列車の中では地味な存在かもしれませんが、中部地方の主要都市間を結ぶ定番の特急列車です。
北アルプス・松本・中山道の古い宿場町といった主要な観光地にアクセスできるため、中部地方を移動する用務客だけではなく、多くの観光客にも利用されています。
また、長野県内の一部区間では、地元ユーザー向けの特急「信州」号が臨時列車として平日に運行されています。
特急「しなの」号の大きな特徴は、JR東海とJR東日本の2社にまたがって運行されている点です。名古屋駅の周辺から長野県内まで利用する広域的なユーザーと、長野駅周辺の区間を利用するローカルユーザーでは、適したきっぷが異なります。
交通系ICカードやチケットレス特急券を利用できるか否か、気になるのではないでしょうか。
定番列車である特急「しなの」号は比較的混雑することが多いため、始発駅以外から乗車する場合は、できるだけ指定席を利用したいです。自由席は常に2両で、名古屋駅方に連結されています。
この記事では、特急「しなの」号および特急「信州」号について、運行区間・料金・きっぷの買い方について詳しく解説します。乗車区間によって適したきっぷを知りたい方の参考になれば幸いです。
- チケットレス乗車が可能なのは、塩尻駅・長野駅間の普通車指定席のみであること
- 名古屋駅・塩尻駅間を含む場合、特急・グリーン料金の割引が基本的にないこと
- ネット予約「e5489」を利用すると、シートマップから好きな座席を選べること
中部地方の主要都市を結ぶ特急「しなの」号
名古屋駅（名古屋市中村区）と長野駅（長野県長野市）の間を結ぶ特急「しなの」号は、JR中央本線の西半分（中央西線と呼ばれます）とJR篠ノ井線を走ります。
この列車はかつて、大阪駅（大阪市北区）や大糸線白馬駅（長野県白馬村）に乗り入れていましたが、現在は別の列車への乗り継ぎが必要です。
この列車の沿線には馬籠・妻籠・奈良井といった中山道の古い宿場町や、松本市・北アルプス等多くの観光資源が点在します。地元の用務客のみならず、観光客にとっても特急「しなの」号は非常に便利な列車です。
特急「しなの」号は、名古屋駅と松本駅・長野駅間に乗車する遠距離ユーザーと、塩尻駅・長野駅間に乗車するローカルユーザーによって利用されています。ユーザー層が多様なのが、特急「しなの」号の特徴と言えるでしょう。
特急「しなの」号が走っていない早朝・夜間には、平日に限り臨時特急「信州」号が長野県内のJR東日本管内で運行されています。長野県内の通勤・通学ユーザーにとって、有用な列車です。
このような背景があるため、乗車区間に応じてきっぷの買い方が大きく異なります。きっぷの種類や予約方法を知っておくことで、賢くおトクにこれらの列車を利用できることでしょう。
特急「しなの・信州」号の運行区間・設備・運行ダイヤ
ここでは、特急「しなの」号および特急「信州」号の運行区間、列車の設備および運行ダイヤについてご説明します。
運行区間
特急「しなの」号と特急「信州」号の運行区間および全区間の営業キロは、以下の通りです。
- 特急「しなの」号：名古屋駅・長野駅間 250.8km
- 特急「信州」号：塩尻駅・長野駅間 76.0km
上図を見ると分かるように、特急「しなの」号は中央西線・篠ノ井線・信越本線を走り、特急「信州」号は篠ノ井線・信越本線を走ります。
塩尻駅で中央東線に乗り継ぐと、上諏訪駅（長野県諏訪市）や茅野駅（長野県茅野市）に向かうことが可能です。
中部地方以西のユーザーが東京を通らずに長野県方面にアクセスするには、特急「しなの」号が欠かせません。
一方、長野県内の地元ユーザーにとっても、用務や通勤・通学の足として特急「しなの」号が重要です。この列車が運行されていない早朝や夜間には、補完的に特急「信州」号が臨時列車として設定され、地元ユーザーの利便性が確保されています。
特急「しなの」号の車両・設備
特急「しなの」号の運行に充当される車両は、JR東海が保有する383系電車です。需要に応じて、6両編成から10両編成で運行されます。
普通車
グリーン車を除く車両は、すべて普通車です。時期や時間帯によって、5両から9両の普通車が連結されます。普通車の両数が需要に応じて柔軟に変わるのが、特急「しなの」号の特徴と言えるでしょう。
普通車の座席は特筆すべき点はなく、4列シートの標準的な座席です。WIFIや電源コンセントが設置されていないため、モバイルバッテリーを持参するとよいでしょう。
特急「しなの」号には、名古屋駅方の2両が自由席として設定されています。そのため、指定席が満席でも自由席を利用すればいつでも乗車可能です。
ただし、最繁忙期には全車指定席となり、自由席がなくなります。全車指定席となる日にちには、十分に注意してください。
グリーン車
編成の長野駅方には、指定席のグリーン車が1両連結されています。特急料金の他に、グリーン料金が別に必要です。
座席のつくりは普通車より良質な4列シートで、シートピッチは普通車よりも広いです。また、長野駅ゆき下り列車は、最前部がパノラマグリーン車となっています。普通車同様、WIFIや電源コンセントはありません。
料金の差に見合った設備面の差は見られますが、コスパの良し悪しは人によって見方が分かれるでしょう。
特急「信州」号の車両・設備
特急「信州」号の運行には、中央東線を走る特急「あずさ・かいじ」号と同じ、JR東日本のE353系電車が充当されます。常に3両編成で、全車指定席です。
3両とも普通車で、この写真のような標準的な4列シートです。各座席には、電源コンセントが完備されています。
運行ダイヤ
名古屋駅・長野駅間250.8kmをちょうど3時間00分で結ぶ特急「しなの」号の運行ダイヤは、比較的シンプルです。
定期列車に関しては、毎日13往復26本が運行されています。始発駅である名古屋駅と長野駅では、日中時間帯は毎正時（00分）に発車します。概ね1時間間隔のパターンダイヤが組まれているので、発車時刻を覚えやすいでしょう。
塩尻駅・長野駅間で運行される特急「信州」号は、特急「しなの」号が運行されない時間帯の穴を埋める形で運行されています。
下り列車（長野駅ゆき）
| 下り | 始発 | 始発 | 最終 |
| 列車名 | 信州1号 | しなの1号 | しなの25号 |
| 名古屋駅発 | — | 07:00 | 19:40 |
| 塩尻駅発 | 06:58 | 09:08 | 21:39 |
| 長野駅着 | 08:09 | 10:03 | 22:39 |
上り列車（名古屋駅ゆき）
| 上り | 始発 | 最終 | 最終 |
| 列車名 | しなの2号 | しなの26号 | 信州2号 |
| 長野駅発 | 06:09 | 19:40 | 20:47 |
| 塩尻駅発 | 07:14 | 20:43 | 22:02 |
| 名古屋駅着 | 09:18 | 22:42 | — |
特急「しなの」号について概要を理解できたところで、運賃・料金について見ていきましょう！
特急「しなの・信州」号の運賃・料金
特急列車である「しなの」号および「信州」号に乗車するには、乗車券の他に特急券を購入しなければなりません。
JR東海エリアとJR東日本エリアをまたがって乗車する場合には割引がなく、所定運賃・料金で紙のきっぷの購入が必要です。乗車区間によっては、チケットレス特急券を利用したり、乗車券として交通系ICカードを利用できます。
これらの列車に関しては複数のJR会社が関係するため、指定席特急料金の計算や各種割引の適用、チケットレス乗車の可否といった取り扱いがとても複雑です。
主要駅間の運賃・料金額
主要駅間における特急「しなの」号および特急「信州」号の運賃・料金の合計額は、下表の通りです。
| 乗車区間 | 営業キロ | 普通車指定席（通常期） | 普通車自由席（通年） | グリーン車（通常期） |
| 名古屋駅・松本駅 | 188.1km | 6,140円 | 5,610円 | 8,410円 |
| 名古屋駅・長野駅 | 250.8km | 7,460円 | 6,930円 | 11,120円 |
| 松本駅・長野駅 | 62.7km | 2,900円 | 2,370円 | 3,670円 |
引き続き、これらの運賃・料金の詳しい算出方法を解説します。
特急料金（特急券）
特急料金に関しては、普通車指定席を利用する場合を基準として計算を行います。
A特急料金の金額
特急「しなの」号および特急「信州」号に適用される特急料金は、全国で標準的な料金水準です（A特急料金と呼ばれます）。乗車区間の営業キロによって、下表のように決まっています。
| 営業キロ | A特急料金（指定席） | A特急料金（自由席） | 主な区間 |
| 1-50km | 1,290円 | 760円 | |
| 51-100km | 1,730円 | 1,200円 | 松本駅・長野駅間 |
| 101-150km | 2,390円 | 1,860円 | |
| 151-200km | 2,730円 | 2,200円 | 名古屋駅・松本駅間 |
| 201-300km | 2,950円 | 2,420円 | 名古屋駅・長野駅間 |
乗車区間が多治見駅・塩尻駅間で完結する場合に限り、自由席の特急料金が1-30kmまでが大人330円、31-50kmが大人660円になります。
普通車自由席を利用する場合の特急料金は、普通車指定席を利用する場合の特急料金よりも530円低額です（通年同額）。
指定席を利用する場合のA特急料金は、乗車日によって料金の加算・減算を行います。最繁忙期には大人400円を加算、繁忙期には大人200円を加算し、閑散期には大人200円を減算します。
列車別のシーズンの適用方法
ここで注意すべきなのは、特急「しなの」号と特急「信州」号では料金計算の基準となるシーズンの適用方法が異なる点です。
運行区間にJR東海が含まれる特急「しなの」号と、JR東日本で完結する特急「信州」号では、適用されるシーズン別のカレンダーが異なります。例えば、11月の土曜・日曜でみると、特急「しなの」号は繁忙期に該当し、特急「信州」号は通常期に該当することになります。
同じ日にちに同じ区間を乗車する場合であっても、適用されるカレンダーの違いによって特急料金が異なることがあるため、注意しましょう。
JR各社におけるシーズン別の適用日カレンダーについては、以下の記事をぜひご一読ください。
特急料金の各種割引（企画きっぷ等）
特急「しなの」号および「信州」号については、普通車指定席・自由席を利用する場合に格安な企画きっぷを利用できる場合があります。
特急回数券
JR東海の主要な駅では、特急「しなの」号を対象として「在来線指定席特急回数券」や「在来線自由席特急回数券」が企画きっぷとして発売されています（紙のきっぷ）。普通車指定席と普通車自由席とも発売されているのは、以下の区間です。
- 名古屋市内・松本駅間
- 名古屋市内・長野駅間
6枚セットで発売されているので、リピート利用する場合やグループで利用する場合非常に向いています。
えきねっと限定の「在来線チケットレス特急券（トク割）」
JR東日本区間の塩尻駅・長野駅間に限っては、JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」限定で、格安の「在来線チケットレス特急券（トク割）」が企画きっぷとして発売されています。
普通車指定席の特急料金が通常期のA特急料金から15％割引される形で、通年同額です（期間限定で40％の割引が利用可能）。
普通車自由席がこの料金の対象外である点に注意しましょう。
大人の休日俱楽部・ジパング倶楽部割引
シニア層向けの「ジパング倶楽部」会員には、運賃・料金の割引が提供されています。特急「しなの」号に関しては、乗車区間にかかわらず利用回数に応じて20％もしくは30％の割引が適用されます。
対象区間がJR東日本管内に限定されますが、ミドル・シニア層向けの「大人の休日俱楽部」会員は、会員区分に応じて所定の割引率（5％もしくは30％）で乗車券や特急・グリーン券を購入することが可能です。
運賃（乗車券・交通系ICカードの利用）
特急「しなの」号に乗車する際には、基本的には普通乗車券（紙のきっぷ）をあらかじめ購入します。この列車の乗車区間を含め、最終的な目的駅までの普通乗車券を通しで購入することも可能です。
交通系ICカードの利用が不可のケース
中津川駅・塩尻駅間が交通系ICカードの利用エリア外である上、TOICAエリアとSuicaエリアをまたぐため、中津川駅・塩尻駅間を発着する場合や通過する場合は紙のきっぷの購入が必須です。
例えば、名古屋駅から木曽福島駅（長野県木曽町）や松本駅に向かう時、または長野駅から中津川駅（岐阜県中津川市）や名古屋駅に向かう場合、交通系ICカードでは乗車できません。
交通系ICカードの利用が可能なケース
一方、乗車区間が交通系ICカードの利用エリア内で完結する場合に限っては、交通系ICカードを利用して乗車できます。
- TOICA：名古屋駅・中津川駅相互間（JR東海区間）
- Suica：塩尻駅・長野駅相互間（JR東日本区間）
乗車区間がJR東日本区間で完結する場合に限り、在来線チケットレス特急券（トク割）と交通系ICカードを併用すれば、チケットレス乗車が可能です。例えば、松本駅・長野駅間を乗車する場合（普通車指定席利用）がこのパターンに該当します。
割引きっぷを購入する場合、発売箇所に注意する必要があります。これから、きっぷの発売箇所などのきっぷの買い方を見ていきましょう！
特急「しなの・信州」号のきっぷの買い方・様式
特急「しなの」号は中京地区と長野県を結ぶ基幹的な交通手段であるため、2両しか連結されない自由席は常に混雑しがちです。そのため、始発駅以外から乗車する場合、指定席の利用を検討するようおススメします。
ここでは、特急「しなの」号および特急「信州」号に乗車するためのきっぷの買い方を具体的に見ていきたいと思います。
きっぷの発売箇所による比較（要約）
特急「しなの」号や特急「信州」号に限らず、現在はきっぷを駅や旅行会社で購入するのみならず、ネット予約サービスでも手軽に購入可能です。
ネット予約サービスとしては、JR東日本が運営する「えきねっと」とJR西日本が運営する「e5489」の2つを利用できます（JR東海は在来線用のネット予約サービスを展開していません）。
発売箇所によってきっぷの買い方に一長一短があるので、自分に適していると思ったものを利用するとよいでしょう。
| 発売箇所 | えきねっと | e5489 | 駅・旅行会社 |
| 発売開始時期 | 1か月前 | 1か月前 | 1か月前 |
| 事前受付 | あり | あり | 基本的になし |
| チケットレス特急券 | あり | なし | なし |
| シートマップの参照 | 不可 | 可能 | 可能 |
きっぷの発売開始時期はどの発売箇所でも共通で、乗車日から1か月前の午前10時00分です。1か月前の応当日がない場合、当月の1日から発売開始となります（例えば、3月30日乗車分は3月1日に発売）。
ネット予約サービス「えきねっと」での購入方法
「えきねっと」では、特急「しなの」号と特急「信州」号について全区間の特急券を購入できます。ウェブブラウザ上では、チケットレス特急券を含む全券種の購入が可能です。
このように、ウェブブラウザ上で予約操作を行うと、普通車自由席やグリーン車も選択できるようになります。チケットレス40％OFFと表示されているのは、期間限定の在来線チケットレス特急券（トク割）です。
また、「えきねっとチケットレスアプリ」では塩尻駅・長野駅間のチケットレス特急券（普通車指定席限定）に限り購入できますが、クレジットカード決済が必須となります。
なお、「えきねっと」では特急「しなの」号のシートマップを表示することができず、席番がおまかせで割り当てられることに留意しましょう。
割引がない特急券および普通乗車券は、駅での受け取りが必要です。JR東海の区間が含まれていれば、JR東海管内の主な駅に設置された指定席券売機で紙のきっぷを受け取れます。
在来線チケットレス特急券（トク割）の詳細については、以下の記事をぜひご一読ください。
ネット予約サービス「e5489」での購入方法
特急「しなの」号はJR東海エリアを走っていることから、「e5489」との親和性が高いです。ただし、特急券には割引がなく、乗車前に特急券（紙のきっぷ）の受け取りが必要になります。
このように、割引なしの通常のきっぷ以外の選択肢は表示されません。JR東日本区間で利用可能な在来線チケットレス特急券も「e5489」では購入できないので、注意しましょう。
特急「しなの」号の予約に「e5489」を利用する強みはシートマップの表示で、自分で席番を決められることに尽きます。
「e5489」を利用する場合、特急券や普通乗車券（紙のきっぷ）の受け取りに注意を払う必要があります。長野駅以外のJR東日本長野エリアの各駅では、「e5489」で予約したきっぷの受け取りができません。
駅・旅行会社での購入方法
特急「しなの」号および特急「信州」号のきっぷを、駅や旅行会社で購入する選択肢も、当然のことながら残されています。
JR各社の駅窓口や指定席券売機では、割引なしの所定料金で特急券を購入可能です。JR東日本区間においてチケットレス特急券を利用する以外には割引が設定されていないため、駅や旅行会社で購入しても大きな不利益はないでしょう。
ジパング俱楽部や大人の休日俱楽部会員割引を適用する場合や、証明書の提示が必要な割引を受けたい場合、駅での購入が一択です。
駅や旅行会社を利用すればネット予約サービスの利用登録やクレジットカードが不要で、手軽にきっぷを購入できるのがメリットです。きっぷを購入する上での不明点を確認したい場合や、現金決済を希望する場合、この方法が適しているのではないでしょうか。
特急券の様式
特急「しなの」号および特急「信州」号の特急券は、基本的には紙のきっぷです。しかし、JR東日本区間限定で、在来線チケットレス特急券の利用が可能になりました。
指定席特急券（普通車）
名古屋駅・長野駅間全区間の特急券です。ネット予約サービス「e5489」で購入しましたが特に割引はなく、所定料金で購入した特急券を紙のきっぷとして受け取りました。
自由席特急券（普通車）
長野駅・松本駅間の自由席特急券です。チケットレスで自由席に乗車することはできないため、自由席には紙のきっぷを購入して乗車します。
「大人の休日俱楽部」割引が適用された特急券（普通車）
同じく、長野駅・松本駅間の特急券です。「大人の休日俱楽部」会員割引については、JR東日本区間で完結する場合、距離にかかわらず割引を受けられます。
在来線チケットレス特急券（トク割）
松本駅・長野駅間の在来線チケットレス特急券（トク割）です。期間限定で、所定料金（通常期のA特急料金）から40％の割引が適用されていました。
筆者が実際にしなの15号に全区間乗車した時の様子を、ここでお話しします！
特急「しなの」号乗車体験：名古屋駅から長野駅まで完乗！
特急「しなの」号が走る名古屋駅から長野駅までの全区間を、3時間かけて完乗しました。その時の様子をお伝えすることで、乗車区間によってユーザー層が入れ替わることをお分かりいただけるのではないかと思います。
しなの15号（1015M）：
名古屋駅 14時00分発 → 長野駅 16時56分着
しなの15号に乗車したのは、2025年11月上旬の土曜日のことでした。連休中でなかったにもかかわらず、この列車を含めてどの列車も非常に混雑していました。
名古屋駅10番線ホームの発車標には今度発車するしなの15号が表示されており、6両編成のうち自由席が5号車と6号車であることが分かります。
定刻12分前の13時48分に、東京駅方から列車が入線。すでに多くの乗客が列車の入線を待っていました。
1号車のグリーン車は空いていました。長野駅ゆきの下り列車では、グリーン車最前部の座席から前方の眺めを楽しめます。
普通車は、指定席全座席のうち7割程度が埋まっていました。自由席の状況をつぶさに観察しなかったものの、ホームの様子を見る限り全座席が埋まる程度の混雑だったと思われます。この日は、名古屋から松本に向かう外国人観光客が目立ちました。
名古屋駅から中央西線を爆走し、遅延することなく15時55分に塩尻駅（長野県塩尻市）に到着。ここで多くの乗客（日本人旅行者が中心）が降りて、中央東線上諏訪駅方面に乗り換えていきました。
16時04分に松本駅に到着。ホームには、この列車に乗車する多くの乗客が。松本駅では、乗客がほとんど入れ替わりました。大勢の外国人観光客が乗車。
松本駅を発車すると線路が単線になり、途中駅に停車して対向列車をやり過ごしながら先へ進みます。長いトンネルを抜けると、善光寺平が見えてきます。D席側に座ると、善光寺平のすばらしい眺めを楽しめます。
定刻の16時56分に、終点の長野駅に到着。終点まで混雑が続き、ホームには多くの乗客が降りていきました。
まとめ
中央西線と篠ノ井線を走る特急「しなの」号は中部地方の主要都市を結ぶ定番列車です。名古屋駅と長野駅の区間をちょうど3時間で結びます。
特急「しなの」号が走っていない早朝夜間の時間帯には、塩尻駅・長野駅間で特急「信州」号が平日に1往復走っています。
特急「しなの」号には、グリーン車や普通車指定席の他に普通車自由席が2両連結されていますが、混雑しがちであることを念頭に置きましょう。
乗車区間にJR東海区間を含む場合、特急料金の割引はありません。また、中津川駅・塩尻駅間を通過する場合には交通系ICカードを使えず、普通乗車券（紙のきっぷ）が必要です。
JR東日本区間である塩尻駅・長野駅間に関しては、在来線チケットレス特急券（トク割）が提供されています。ネット予約サービス「えきねっと」でオンライン決済すれば、割引を受けられます。
特急券を購入できるのは駅や旅行会社に限らず、ネット予約サービス「えきねっと」および「e5489」を利用できます。「e5489」に限ってはシートマップの表示が可能で、自分で好きな座席を選べます。それぞれ一長一短があるので、自身のニーズや好みにあわせてサービスを使い分けるとよいでしょう。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました！
参考資料
● お得なきっぷ（JR東海）2025.11閲覧
● 在来線チケットレス特急券サービス｜えきねっと（JR東日本）2025.11閲覧
当記事の改訂履歴
2025年11月27日：当サイト初稿
コメント