JR四国を利用する時に感じる「自動改札がなくて不便」や「交通系ICカードが使えない」といった常識が、「スマえき」というスマートフォンアプリによって覆されようとしています。
このアプリの正式名称は「しこくスマートえきちゃん」で、JR四国管内の定期乗車券や普通乗車券、自由席特急券を購入可能です。これらに加え、このアプリ限定のおトクなきっぷも発売されており、注目に値します。
ユーザーが所持するスマートフォンがきっぷの代わりとなるため、駅窓口や券売機に並んで紙のきっぷを購入する負担がありません。
このアプリには、単なるチケットレス化による利点のみならず、JR四国にとっての経営戦略が隠されています。JR四国はなぜ交通系ICカードを広めるのではなく、チケットアプリを導入したのでしょうか。

このアプリで発売されるきっぷは特別企画乗車券扱いであるため、特に100kmを超える普通乗車券の効力がユーザーにとって不利です。一方でおトクなきっぷを見逃せないので、利用シーンに応じてアプリと紙のきっぷをうまく使い分けましょう。
この記事では、JR四国が提供するチケットアプリ「スマえき(しこくスマートえきちゃん)」が持つ独特さや利点、紙のきっぷとの使い分けを独自目線で検証します。
このアプリを開発するJR四国のプロジェクト担当者からうかがった話を交え、単なるアプリの使い方を超えた知見を提供できればと思います。
- アプリ上で発売されている普通乗車券・自由席特急券は紙のきっぷと同額であること
- マルスに接続されていないため、アプリから指定券を購入できないこと
- JR四国における出改札業務の合理化が「スマえき」導入の真の狙いであること
チケットアプリ「スマえき(しこくスマートえきちゃん)」の概要

「しこくスマートえきちゃん」はJR四国が開発したチケットアプリで、ユーザー向けには「スマえき」という愛称で展開されています。
最初に、JR四国のチケットアプリ「スマえき」の概要を押さえていきたいと思います。
名称の由来とアプリの現況
JR四国の駅でよく見かける「すまいるえきちゃん」というイメージキャラクターが、このアプリの名称「しこくスマートえきちゃん」の由来です。
このアプリの名称には、駅や列車をスマートに利用してほしいという願いが込められています(スマートフォンが名称の由来ではないようです)。
駅で発売されているきっぷのデジタル化を進めるため、このアプリの開発がJR四国によって進められました。
2022年11月のリリース当初、購入可能なきっぷは普通乗車券および自由席特急券のみでした。アップデートを経て購入できるきっぷの種類や決済手段が増え、チケットアプリとしての機能が強化されました。
その結果、地元ユーザーを中心に利用が急速に伸びています。報道によれば、2024年度の販売実績は前年比約2.5倍の13億円弱に及び、特に定期券については前年比約3.4倍に伸びました。
また、JR四国の担当者によれば、2025年11月時点できっぷ発売数全体の約3割を「スマえき」が占めるまでになったということです。
購入できるきっぷ
チケットアプリ「スマえき」をスマートフォンにインストールすることにより、JR四国全線(児島駅発着を除く)および土佐くろしお鉄道全区間のきっぷを手元で購入可能です。以下の種類のきっぷが、このアプリ上で発売されています。
- 定期乗車券
- 普通乗車券
- 自由席特急券
- おトクなきっぷ(企画券)
きっぷを「スマえき」で購入した場合、きっぷの情報をアプリ上で表示し、その画面を駅員や乗務員に提示して使います。いわば、JR四国版のデジタルきっぷと言えます。
このアプリは、JRの予約システム「マルス」に接続されていないため、特急列車等の指定券を購入できません。しかし、操作画面のインターフェースがシンプルで、動作感も軽いです。
このアプリを通して購入するきっぷの発売金額は、駅で購入するきっぷと同額です。アプリで購入すると割引が適用されるわけではありません(ただし、おトクなきっぷを選択すれば実質的に割引になります)。
発売金額に差がない一方、普通乗車券の発売条件や効力には紙のきっぷと差があります。チケットアプリの実装をシンプルにするための措置とはいえ、途中下車といった紙のきっぷならではの利点が切り捨てられている点には注意が必要です。
チケットアプリならではの工夫
不便が生じないよう、「スマえき」にはさまざまな工夫が施されています。
チケットアプリの利点が生かされているのは、過去に購入したきっぷの再購入機能です。同じ区間を何度も乗車する場合、とても便利な機能です。

履歴画面には、このような[再購入]ボタンが表示されており、一度利用した区間のきっぷを簡単に購入できます。
また、このアプリでは、きっぷの代理購入が可能です。家族での利用が想定されており、例えば、子どもが使う定期乗車券を親のアカウントで購入することができます。
障害者割引の利用もしっかりと配慮されています。利用資格の確認のために「ミライロID」と連携されており、登録を済ませれば条件を満たす場合に割引の適用が可能です。

それでは、JR四国でこのようなチケットアプリが使用できるようになった背景を探っていきましょう!
「スマえき」導入の背景や狙いを開発目線で考察

多額の投資が必要にもかかわらず、JR四国はどうしてチケットアプリ「スマえき」を導入したのでしょうか。ここでは、アプリの開発に至った背景や導入の狙いについて考察していきます。
「スマえき」の導入に至った背景
JR四国は、JR旅客6社の中では経営規模が最小です。四国地方には大都市が存在しない上、ドル箱となりうる新幹線が通っていないため、JR四国の経営基盤は非常に脆弱です。
鉄道事業に関する2024年3月期の営業損失は約140億円の赤字で、2025年3月期については約141億円の赤字を計上しました。このような赤字続きでは、大胆な設備投資はとても不可能です。
鉄道事業の運営コストを削減するためには、出札業務の省人化およびデジタル化が欠かせません。ところが、出札業務のデジタル化には、券売機や自動改札機といった駅務機器への投資が伴います。
この状況にうまく対応するためにJR四国が着目したのは、スマートフォンアプリです。
四国には新幹線が通っておらず、これまで自動改札機や交通系ICカードがほとんど導入されてきませんでした。この状況を逆手に取り、駅務機器を新たに導入するのではなく、ユーザーが持つスマートフォンをきっぷとして活用することに着目しました。
JR四国がJR他社よりも業務のデジタル化において後れを取っていた中、これは逆転の発想だったと言えるでしょう。
チケットアプリ「スマえき」を導入することにより、設備投資を回避しつつ出札業務の省人化と簡素化に成功したのです。
「スマえき」導入で得られた節減効果
JR四国の担当者によれば、「スマえき」の開発には外部のベンダーがあまり関与しておらず、JR四国のプロジェクトおよびグループ会社によって内製されたとのことです。
そのおかげで開発コストが抑えられた上、規則が複雑なJR乗車券類の実装も実現しました。
JR四国管内を走る列車は自由席が主体であるため、システムをマルスに接続する必然性が高くありません。その上、マルスに接続するには、導入・維持とも莫大なコストがかかります。
設備投資のための余裕がない中、「スマえき」においてはその点も逆手にとりました。マルス接続が不要な乗車券と自由席特急券の発売に特化し、マルス接続にかかる投資を回避しています。
その上、ユーザーのスマートフォンをきっぷとして扱い、駅員や乗務員が目視で確認すれば、券売機や自動改札機といった駅務機器の大規模な導入が不要です。
最低限の投資で出改札業務の効率化を図ったことは、JR四国にとっての生存戦略に違いありません。
「スマえき」アプリとセンターサーバーの特徴・強み

「スマえき」アプリとそれを支えるセンターサーバーのしくみには、鉄道会社における従来のシステムにはないユニークさが見られます。
JR四国だからこそ採用が可能だったシステム構成の特徴や強みを見ていきましょう。
「スマえき」を構成するシステムの特徴
「スマえき」アプリ(フロントエンド)とセンターサーバー(バックエンド)は、鉄道会社における従来のレガシーシステムとは異なり、オープンシステムがベースです。

ユーザーが使用する「スマえき」アプリ本体は、AndroidおよびiOS上で動作する汎用的なものです。また、インターネット経由で接続されるチケットアプリ管理用のセンターサーバーにはクラウドが採用されています。
システムへの高負荷が想定される最繁忙期においても、クラウドであればサーバーの能力を柔軟に増強できるため、安価かつ柔軟な運用が可能です。
決済システムについても外部サービスと接続し、代金の決済処理を外部で行うしくみです。アプリ上にクレジットカード情報を登録するものの、認証に3Dセキュアを必須にすることで自社サーバーに決済情報を残しません。
「スマえき」用に独自システムを一から構築するのではなく、既製の外部サービスを活用することで開発・維持コストが抑えられていると言えるでしょう。
係員による目視が前提の軽量アプリ
「スマえき」アプリの大きな特徴は、動作が軽いことです。きっぷ情報の処理をセンターサーバー側で行い、アプリ側で処理を行わないように設計されています。
運賃・料金情報をセンターサーバー上に置き、運賃計算処理をサーバー側で行えば、アプリの負荷が軽減されるわけです。また、運賃・料金の修正についても、センターサーバー側で容易に対応できます。
そのため、ユーザーが所持するスマートフォンの状態にかかわらず、きっぷ情報自体には影響を受けないしくみです(ただし、電池切れや故障はユーザーの自己責任として紛失扱いです)。
また、このアプリにおいては、きっぷ情報を駅員や乗務員が目視することを前提に表示内容が設計されています。きっぷの発駅名および着駅名が大きな文字で表示されるばかりでなく、きっぷの使用前・使用中・使用済といったステータスの変化が一目で判別可能です。
JR四国管内においては自動改札機がほとんど設置されておらず、係員が改札業務を行う業務フロー自体には変化がありません。目視する対象が、単に紙のきっぷからスマートフォンに変わったにすぎません。
スマートフォンに画面割れが生じていても目視が可能であればきっぷとして有効なのは、このアプリならではの利点です。
有効期間中しかきっぷが表示されないため、誤認が生じない上、セキュリティ対策にもなっています。

「スマえき」についてよく理解できたところで、実際に利用した際の使用感を共有したいと思います!
実際にきっぷを買って使ってみた!使用感をレポ

「スマえき」を実際に操作し、購入したきっぷで実際に列車に乗車した体験をもとに、このアプリの使用感をレポートします。
シンプルな購入画面
鉄道きっぷアプリの命は、正確さだけではなく、シンプルさや分かりやすさです。JR四国管内の特急列車の主流が自由席であることをうまく活かし、「スマえき」の購入画面は自由席のきっぷ購入が前提になっています。

初期画面では、乗車区間・日にち・人数および利用者(本人か代理購入か)を入力するだけです。

その後、経路や特急利用区間を選択すれば、即座に決済画面にたどり着きます。空席情報や不要な選択肢が表示されないため、迷うことがありません。
きっぷの種類やステータスを一発で判別できる視認性の良さ
「スマえき」においては、券種やステータスによってきっぷの色が異なります。駅員や乗務員にとっては、画面の色からきっぷが有効か否かを即座に確認できます。もちろん、ユーザーにとっても分かりやすいことは言うまでもありません。

購入後、使用前の状況では、きっぷの色は薄い灰色です。[使用開始]ボタンが表示されていて、これから使うきっぷであることが分かります。

使用開始すると、きっぷに色が付きます。このきっぷは乗車券と自由席特急券がセットになっており、その色は緑色です。

着駅で[使用終了]の操作を行うとステータスが使用済となり、濃い灰色に変わります。

これは、乗車券のみのきっぷ画面です。自由席特急券との色が異なり、きっぷの種類が異なることが容易に分かります。
セキュリティの堅牢さが際立つ
鉄道きっぷは、常に不正使用のリスクにさらされます。また、ネット環境では決済の安全性も心配です。そのため、このアプリではセキュリティ面にもしっかりと配慮されています。

「スマえき」においては、クレジットカード決済にあたって3Dセキュア認証が必須です。ワンタイムパスワードを利用することで、不正を防止する仕様になっています。

JR四国側にとってのセキュリティも万全です。一例として、スクリーンショットを保存しようとすると、警告がポップアップ表示されます。使用中のきっぷは動的な表示であり、スクリーンショットによる乗車を抑止できるように設計されています。
JR四国社内からクラウド上のセンターサーバーにアクセスする際も、セキュリティに配慮されているとのことです。
かゆいところに目が届く利便性
「スマえき」にはきっぷの購入以外にも必要な機能が備わっており、ユーザーにとって利便性が高いです。

履歴画面およびきっぷの管理画面から、同じ区間のきっぷを再購入できます。きっぷが未使用であれば、使用日の変更や払いもどし、利用証明書の発行が可能です。

きっぷが使用済みの場合、再購入と領収書の発行が可能です。きっぷのステータスによって、管理画面の機能が異なります。

領収書(または利用証明書)の発行体制も万全です。購入完了時に自動的に発行されるわけではないものの、発行操作を行えばPDF形式の領収書がメールで送付されます。
このように、「スマえき」は、鉄道きっぷアプリとしてよく練られていると言えるでしょう。

「スマえき」は、JR他社のアプリと比較して一番使いやすいことは間違いありません。しかし、それは果たして本当でしょうか?これから、紙のきっぷよりも劣る点や課題の考察に進みます。
「スマえき」と紙のきっぷ・ネット予約サービスの使い分け

「スマえき」はマルスに接続しないシステムが基盤になっているため、すべての券種をカバーしているわけではありません。このアプリで購入できない場合、従来のように紙のきっぷを購入するか、ネット予約サービスを利用します。
ここでは、「スマえき」と紙のきっぷ、ネット予約サービスの使い分けを検討していきます。
普通乗車券・自由席特急券
普通乗車券および自由席特急券の値段は、「スマえき」と紙のきっぷで同額です。「スマえき」にはチケットレス割引等の優遇がない上、普通乗車券については以下の制約があります。
- 有効期間が当日限り
- 途中下車不可(下車前途無効)
- 使用日変更以外の乗車変更不可
- 乗り越し精算の計算方法が違う(別途乗車)
この制限の影響を受けるのが、乗車区間の営業キロが100kmを超える場合です。着駅まで直行することが確実な場合や、同じ区間をリピート利用する場合以外、紙のきっぷを買ったほうが無難でしょう。
一方、自由席特急券に関しては、紙のきっぷと効力の差はありません。アプリ上で自由席特急券を単体で購入しても問題ないでしょう。
指定券
「スマえき」では、指定券(指定席特急券等)を購入できません。指定券を購入する場合、駅で紙のきっぷを買うか、ネット予約サービスを利用します。
JR西日本のネット予約サービス「e5489」を利用すると、JR四国管内であっても指定席の「チケットレス特急券」を購入できます。この場合、四国内の乗車券を「スマえき」で購入すると、完全にチケットレス乗車できます。もちろん、従来の特急券(指定席・自由席)および普通乗車券を購入し、駅で紙のきっぷとして受け取ることも可能です。
JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」を利用した場合、紙のきっぷ(特急券および乗車券)をあらかじめJR東日本エリア内で受け取ってから四国に向かうことになります。したがって、チケットレス乗車はできません。
日頃からネット予約サービスを利用している場合、四国のきっぷも当該サービスで購入すれば十分でしょう。
定期乗車券
「スマえき」の強みが前面に出ているのが、定期乗車券です。
JR四国管内では自動改札機や交通系ICカードがほとんど展開されておらず、係員にきっぷを提示する場合がほとんどです。したがって、列車を利用する際にはスマートフォンの画面を見せるだけでよく、アプリを利用する上で不利な点は特に考えられません。
総合的には、訪問者向けの普通乗車券や自由席特急券というよりも、地元利用者向けの定期券に最適化されたアプリのように思われます。
「スマえき」活用上の注意点・課題

ユーザーにとっても係員にとっても扱いやすい「スマえき」ですが、アプリで購入できるきっぷは駅で発売されている従来のきっぷとは異なります。アプリの設計を軽量化した結果、ユーザーが不利になる一方、JR四国側に有利となる点が見られます。
ここでは、「スマえき」を活用する上でユーザーが注意しておきたい点や今後の展開上の課題を考えていきましょう。
おトクなきっぷにたどり着きにくい
「スマえき」がリリースされた当初に購入可能だったのは、無割引の普通乗車券および自由席特急券のみでした。その後、おトクなきっぷもあわせて購入可能になっています。
このような経緯があるため、おトクなきっぷの購入画面にたどり着きにくいのが、このアプリの難点です。
通常のきっぷ購入画面で乗車区間や日付を入力して表示されるのは、無割引の運賃・料金です。おトクなきっぷの設定があることを知らないと、そのまま高いきっぷを買ってしまうことになります。
「えきねっと」や「e5489」のように、検索結果画面上ですべての運賃・料金を比較できるように画面遷移を設計すると、ユーザー想いです。
ユーザーとしては、無割引の普通乗車券・自由席特急券を購入する前に、乗車区間に対応したおトクなきっぷがないかを必ずチェックしましょう。
普通乗車券の効力・乗車変更に関する制限
シンプルな作りのアプリでは、現行の旅客営業規則に全面対応した普通乗車券を発売するのは困難です。そのため、上述した通り普通乗車券を特別企画乗車券として発売する策がとられ、発売条件や効力がユーザーにとって不利となっています。
片道の営業キロが100kmを超える場合、有効日数や学割適用といった普通乗車券発売上の条件分岐が複雑になるため、「スマえき」が苦手とするところです。
また、旅行開始前に手数料無料で1回だけ可能な乗車券類変更や、旅行開始後における区間変更の取り扱いが、このアプリにおいては割愛されています。予定が変更になった場合には払いもどしの手続きが必要になり、本来かからない手数料がかかってしまう点もまた、ユーザーにとって不利な点です。
普通乗車券の効力や乗車変更の取り扱いといった点でユーザビリティが犠牲になることが、業務の効率化における大きな課題です。ユーザーの利益を犠牲にすることなく、いかに業務を合理化できるかが、企業の腕の見せ所になるでしょう。
スマートフォンの通信環境や故障による影響
JR四国管内には、土讃線や予讃線(愛媛県南予地方周辺)といった山間部を走る路線が多くあります。そのような区間では、携帯通信が途絶えることがあります。
センターサーバーと通信するのが前提である「スマえき」にとって、本来は通信環境が命です。携帯通信の技術的な壁が、JR四国にとって永遠の課題でしょう。
アプリの設計上、一部の機能は通信がない状況に対応しているとのことですが、すべての状況をカバーできるわけではありません。
また、スマートフォンの電池切れや故障が生じた場合、無割引のきっぷを買い直さなければなりません。ユーザーの自己責任とはいえ、従来の紙のきっぷでは生じなかった問題をユーザーに負わせる形です。
将来的な展開に関する課題
JR四国では、本格稼働が始まった「スマえき」を将来的に他の中小鉄道会社にも展開する目標を持っているとのことです。
優等列車を運行しない鉄道会社にとってはややオーバースペックなアプリながら、駅務機器の設備投資を要さないソリューションは有力な選択肢となるでしょう。
さらに良いアプリを目指すのであれば、ユニバーサルデザインを採用することなどが課題ではないかと考えます。
まとめ

自動改札機や交通系ICカードがほとんど導入されていないJR四国が、出札業務の合理化のため逆転発想で導入したのが、「スマえき(しこくスマートえきちゃん)」です。
ユーザーが所持するスマートフォンをBYOD機器として活用することで、駅務機器にかかる設備投資の回避が可能となりました。
センターサーバーにクラウドを採用することによって、経営資源が限られた中でシステムの構築を比較的安価に実現しました。アプリの設計やセンターサーバーとの通信においては、十分なセキュリティが確保されています。
定期乗車券やおトクなきっぷの発売には非常に適していて、地元ユーザーを中心に普及が進みつつあります。しかし、アプリが軽量なために普通乗車券の実装が苦手であり、特別企画乗車券として効力が制限されていることに注意が必要です。
とはいえ、JR他社の煩雑なアプリと異なり、ユーザーと係員の両者にとって使い勝手の良いアプリに仕上がっています。今後の進化が楽しみです。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● しこくスマートえきちゃん(JR四国)2026.01閲覧
● JR四国 ニュースリリース「チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」がもっと便利なアプリに進化します!!」 2023.3.24付
● JR四国 ニュースリリース「「スマえき Sきっぷ」等の発売開始及び一部トクトクきっぷ見直し時期決定のお知らせ」 2022.11.08付
● JR四国のチケットアプリ「スマえき」の利用が急伸 定期券目立つ(朝日新聞)2025.5.31付
● JR四国決算公告 2026.01閲覧
● 四国旅客鉄道株式会社 チケットアプリ乗車券取扱規則
https://www.jr-eki.com/smart-eki/pdf/conditions-of-carriage.pdf
当記事の改訂履歴
2026年01月26日:当サイト第2稿
2023年12月06日:当サイト初稿(リニューアル)
2023年6月28日:前サイト初稿



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